一般的にテニスといえば「チャラチャラしてる」そんなイメージだった。
一方で、皇室の方々も嗜む高貴なスポーツのイメージもある。
いずれにせよ自分には縁はない、と興味もなかったのだが、会社の若者の一言から勢いで来てしまった、テニスの体験レッスン。
更衣室に案内され、20年前に買ったややきついトレーニングパンツと、会社の催しで作った外で着るのは憚られるTシャツを着用した。こんな姿で良いのだろうか。
更衣室を出ると立派そうなコーチが待っていて、コートまで案内してくれた。
まずはテニス経験や体験レッスンに来たきっかけなどを尋ねられる。
運動不足のテニス超初心者であること、人生でこれといった運動経験はないこと、そして会社の人と仕事帰りにテニスできるくらいになりたいことを伝えると、ふむふむと。
そこからは体験で参加するクラスのコーチにパスされて、コート内へ。
このコーチは若くてちょっと訛りのあるニコニコしたお兄ちゃんである。
最初はこの若いコーチがマンツーマンで、ラケットの持ち方を教えてくれたり、簡単な短い球の打ち合いをしたりしてくれた。
結構私いけるんじゃん?と調子に乗っていたら、即クラスに合流となった。え、もうですか…!
そこからは何をしたかもよく覚えていないが、おそらくコーチが球出ししたボールを打ち返そうとして空振りしまくったり、生徒の皆さんとのラリーで迷惑かけまくったりしたのだと思う。
ああぁ、早く終われ。と思っているうちに恐怖の80分が終わり体験終了。緊張のあまり疲れも感じない。
レッスン終了後は当然、いかがでしたか?入会されますか?となる。
うーーむ。本音は逃げたい。が、いま逃げたら一生テニスはやれない。憧れの会社帰りのテニスも、老後のおばちゃんたちとのキャッキャも、露と消えてしまう。
「入会します、来週からきます」
もう全ては勢いである。頭で考えず脊髄反射で答えればよいのだ。どうせちょっとやれば上手くなるだろっ。
その後、事務のお姉さんのところで入会受付を完了した。
月会費も高かった。
しかしこれで、快適な環境・ドライな人間関係でのスポーツライフがスタートするのだ。
めでたいのだ!